ツムガタモドキギセル
軟体動物門 腹足綱 柄眼目 キセルガイ
科 殻高22mm前後

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殻形状は一見した感じは「ツムガタギセル」に似ている。

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上と同じ個体。殻口部は大きく反転している。

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正面から見ると殻口部の広がりはかなり大きく、「ツムガタギセル」とは違う印象。

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このように、殻頂が欠損している個体がほとんどだった。

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これはまだ未成熟な個体なのに殻頂部が欠損している。

「ツムガタモドキギセル」は主に東日本に生息する北方系のキセルガイで、関東などでは普通種だそうですが、愛知県での分布は長野県経沿いの山間地から流れ下る河川の流域に限られているようです。
掲載したものは奥三河の山間部で見付けたものですが、一見すると名前通り「ツムガタギセル」によく似た殻形状ですが、印象はかなり異なりました。
殻口や腔壁の確認ができていないため、同定についてはちょっと(?)が入っていますが…

腐朽木に複数の個体が群れていましたが、ほとんどが殻頂が折損しており、殻が完全なもので撮影可能な位置にいたのはものはわずか1個体しかいませんでした(^^;

キセルガイの仲間は(資源の振り分け戦略が違うため?)種によって胎児殻の厚みが異なっているためか、殻頂が折損しやすい傾向のものも多いようで、「スジイリオキナワギセル」のように、環境的に恵まれた石灰岩地帯に住んでいる個体さえ成貝のほとんどが殻頂を失っているものもいるくらいで、本種の場合もそういう傾向が強いものなのかもしれません。
(ちなみに「ツムガタギセル」のほうは、完全な殻を保持しているものがほとんどです。)