-----------------くどいですが、まずは鳥海山(象潟口)登山の続きです。----------------
8月3日に鳥海山を鉾立まで下り、次の目的地を月山に切り替えました。 しかし、宿泊地をどこにするかを検討する必要がありますね。 エブリちゃんでの車中泊の準備は十分すぎるほど出来ているのですが、やはり下山後なのでお風呂に入りたいとか、そもそも「周りの騒音に悩まされず、お布団で寝たい。」っていう気持ちが強くなってきました。 月山周辺の温泉なども考えましたが、電話で確認した北月山荘は満員。 ネット環境が保障されたビジネスホテルもいいかな?ということで、なるべく近くの都会(^^)ということで、鶴岡に行ってみることにします。 駅には「観光案内所」だってあるはず(勝手な思い込み)なので、旅館なりビジネスホテルなりを紹介してもらうのもいいかも。 ↑屋久島や鹿児島での経験からの当て推量ですが… エブリちゃんをハイスピードで走らせ(^^;鳥海ブルーラインを下って鶴岡駅前を目指します。 酒田市を抜け、鶴岡駅前に着くと、ちょっとイメージより田舎だったかも(^^; とはいえ、20分間無料の駅前パーキングに車を停め、目の前にある観光案内所の扉へ手をかけると、鍵が掛かっています… 入り口には「午後5時30分まで」との表示があり、時計を見ると「5時35分」でした。
まあ、目の前にワシントンホテルやルートインなんかもあるので、何となく馴染みのある「ルートイン鶴岡駅前」を直撃!空きがあって宿泊可能でした。 朝食は不要としたが、実は無料で朝食付きなんだって。 お風呂はお部屋のユニットバスだけでなく、人工温泉の浴場があるって事なので嬉しいかも。 まずは大きな風呂で汗を洗い流してから計画を練ることにします。 ネットで調べると、明日の天気もよさそう(山形地方は庄内地方より少し悪い?)なので、目的地は予定通り「月山」ということに。 晩御飯は、思ったよりも何もない駅前を少し歩き、居酒屋で軽くビール(普段は飲まんけど)とてんこ盛りのサラダ、お好み焼き、たこ焼きで満腹。(ビール以外は意外と栄養バランス良し)。
翌日は、すぐそのままチェックアウトできるように部屋を引き払いながら朝食へ。 朝食はバイキングですが、大急ぎで(^^;かき込んでいざ出発。
郊外へ出ると、やや湿度が高くて霞んでいるものの、月山の姿が大きく見えました。 しかし、鳥海山の方向はモヤモヤで山のシルエットさえ見えませんね。
羽黒山入り口の大鳥居をくぐり、羽黒山を通過して月山道路へ入ります。 月山道路、のっけから思った以上に狭い道です。ここでバスとすれ違うのは嫌だなあ… しかし、1台のバンに追い付いただけでほとんど他の車には出会いませんでしたが、最後の500mは始発バスに追い付いてしまい、あえぎながら登るバスの黒煙を浴びてしまいました。 駐車場にはまだ車は少なく、眼下に庄内平野と海岸線が霞んで見えます。
早々に準備して、弥陀ヶ原に向けて出発です。

弥陀ヶ原の池塘の向こうに鶴岡の街と海岸線が見えます。
 弥陀ヶ原にある参籠所の鳥居をくぐって登山開始です。
 弥陀ヶ原の末端から登りに入ります。
駐車場から一段上がったところから弥陀ヶ原の末端に取り付き、真っ直ぐ登山道を進みます。 弥陀ヶ原周遊コースの十字路を過ぎると、緩やかながら本格的な登りに入りました。 徐々に高度が上がってくると、背後に池塘を抱いた弥陀ヶ原の全景が見渡せるようになります。
 登りながら弥陀ヶ原の池塘を俯瞰する。
 長い尾根の東側を巻くように登ってゆきます。
登山道は一ノ峰から山頂方向に続く長い稜線からは微妙に東にずれて巻くように進みます。 途中、20人ほどの団体さんを二組抜きましたが、それ以外は人も少なく、マイペースで行けます。 行く手には偽のピークが続き、1758.9mの標高点のあるピークの東側へ回りこんだ先の鞍部に「仏生池小屋」が姿を見せます。可愛らしい仏生池と石仏がお出迎えしてくれました。
 団体さんに道を譲ってもらったところで後方の弥陀ヶ原を振り返る。
 広い鞍部に仏生池山荘。

早くウルトラセブンのマスクが見つかるといいですね!(左) 仏生池。(右)
 仏生池山荘を後に、更に斜面を登ります。
ここまでで行程の半分を少し過ぎたくらいですから、現在9:45ですからお昼前には余裕で山頂に着けますね。 傍らのおじさんに「ここから山頂までどの位?」って聞かれたので「一時間ちょっとですかねえ。」と答えたら「えー、ここからまだ1時間以上かかるの?これじゃあ3時間では着けないよ〜。」って言われましたが、それって私に言ってるの?それっとも自分に対して…??
小屋を過ぎ、正面に見える「オモワシ山」の斜面を、これもまた東側を巻くように進んでゆくと小さな鞍部で西側の展望が開ける場所に出ます。 ここからは西側に連なる山々が一望できます。(相変わらず山頂は見えませんけど…)
※月山はなだらかな形状の火山で、一般に「楯状火山(アスピーテ)」と言われていましたが、登った感じは火山起源とはいうものの、元の火山の山体が崩壊・浸食を繰り返して出来た地形のように感じました。地形的に見ても西側が大きく崩壊していて、現在の山頂がもともとの火山の山頂ではないようです。 帰宅して調べてみると(この辺からはWikipediaの受け売りですみません)、やはり成層火山が浸食を受けて形成されたもののようで、元の中央火口丘は西側に位置する雨告(あまもり)山だそうです。
八幡平も従来は「楯状火山」であると考えられていましたが、最近は「山頂が平らになった成層火山」であるといわれ、かつての解釈の名残として観光道路の名前にも「アスピーテライン」の名称が残っているとのこと。(観光案内などにもまだ「八幡平は楯状火山(アスピーテ)で」といった表現がされていますね。) 伊豆大島や三宅島も成層火山に分類され、ハワイのキラウエア火山に代表されるような楯状火山は日本には存在しないということになっているようです。
 斜面の東側に広がる行者ヶ原。
 再び山頂手前のニセのピークが現れます。
東に広い「行者が原」の台地を見つつ、更に緩やかな斜面を登って大峰に達すると、周囲には岩を積み重ねた塚のようなものがたくさん現れます。 いわゆる「ケルン」ではなく、草履塚のような宗教的な遺構でしょうか。 周囲はだんだん開けてきますが、山頂の手前に高さが同じくらいの尾根が連なっていて、月山の山頂はなかなか見えてきません。 東に伸びる広い尾根を越えると、左手には山頂直下から広がる「月見ヶ原」を見下ろすようになります。 そして、やっと尾根の影から月山の山頂が姿を現しました。
 右手の山頂東側斜面から続く「月見ヶ原」の台地。
 いよいよ山頂の月山神社が見えてきました。
山頂は月山神社の神域で、本殿のある山頂には祈祷料(500円)を納め、お祓いを受けた後に入ることが許されます。 登頂証明書とお札、絵葉書を受け取り、お祓いの後に体の穢れを人形(ひとがた)に移して水に浮かべます。 石垣に囲まれた本殿に参拝し、周囲を巡って戻りました。 (内部は写真撮影禁止なので、写真はありません)
 神社前から南側を展望。正面は頂上山荘。

山頂の西側に連なる尾根。

南側に連なる尾根。湯殿山は雲の中。(左) 岩の上でのんびり昼食。(右)
山頂の南側は眼下に雲海が広がり、予報通り山形地方は曇りなんでしょうか? 南側が見通せる場所に移動すると、月山スキー場方面(月山の南面)から登山してきた人たちも続々到着の様子です。
「雲の峰 いくつ崩れて 月の山」 松尾芭蕉
松尾芭蕉も「おくのほそ道」での旅では出羽三山を巡ったわけですが、月山への登拝は旧暦6月8日〜9日と記されています。 「強力に導かれ、氷雪を踏みしめて登ること八里…息絶えて身凍えて頂上に至れば日没して月顕はる。」 とありますから、当時の残雪の多さはいかばかりかとも感じます。
ちなみに、南からの登山道が交わる辺りに上記「雲の峰…」の大きな句碑が立っていました。 「なんて書いてあるんじゃこれ?」と言っていたおじさんたちに自慢げに解説してあげました。 しかし、南側の雲がなかなか取れる気配がなく、やはり湯殿山は「聞くべからず、語るべからず」っていうことなのかな? 姥ヶ岳までは見えるのですが、その先の湯殿山は最期まで姿を見せることはありませんでした。 時間もまだお昼前ですが、軽い食事をして下山することにします。 ちょうど途中で抜いた団体さんも続々到着。入れ替わるようにして来た道を戻ります。
 月見ヶ原と南東方向の雲の峰。
 下山中に見る仏生池山荘と直下の雪渓。
 弥陀ヶ原から鶴岡の街をめがけて下ってゆきます。
山頂付近の登山道が交錯している以外は概ね整備が行き届いた道ですが、石の上を歩くことが多くてちょっと足の裏が疲れ気味ですね。
弥陀ヶ原からは再び庄内平野が見渡せ、雲は湧くものの終始好天で、とっても暑い一日でした。
 羽黒山参道の杉並木。(左) 国宝「羽黒山五重塔」。(右)
下山後は、羽黒山の五重塔だけは見たかったので少しだけ立ち寄り。
その後、米沢に向けて国道112号線をひた走ります。 途中まではずっと雲を被った月山の姿が見え隠れしていましたが、寒河江、山形からはどっしりとした月山の姿がきれいに望めました。 雲を被った蔵王も左に見送りつつ、次のアタック対象の「米沢牛」目指して(何となくアクセルを踏む右足にも力が入り)走りました。
昨日ネット予約しておいた「ビジネスホテルつたや」さんへ着弾、シャワー後に予ねて調査しておいた「レストラン
ヴェルデ」さんへTELし「米沢牛、食べられますよね。」の確認をしてアタック開始(^^) レストラン ヴェルデさん、色々どうもありがとうございました。 お陰で、旅の後にもお楽しみが出来ました。
次の目的地は…この時点では未定。お帰りの日時も未定(^^; |