ミカワマイマイ

軟体動物門 腹足網 柄眼目 ナンバンマイマイ科 殻径約43mm 殻長約23mm

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神様に願掛けしてから観察に出向いたお陰か、同時に2頭と出会いました。

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左手前の個体。荒々しい成長肋が迫力あります。雨天のため自然光下での撮影は難しい…(^^;

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右奥の個体。こちらのほうが色が濃くて成長肋がやや繊細に見える。

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大型のわりに平べったいのも特徴的。

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周縁角は非常にはっきりしています。

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以前に拾った「ミカワマイマイ」の死殻(右)「イセノナミマイマイ」(左)と比べても大型です。

東三河に生息するマイマイ類の中では唯一の左巻きで、なおかつこの地方の最大種だと思われる大型で異形のカタツムリです。
愛知県(とその周辺)は地質形成上の歴史の関連からか大型マイマイ類の空白地帯となっており、「イセノナミマイマイ」以外では本種が唯一といってもよい大型種ですが、生息地が限られているだけでなく生息数も少く、目にする機会はほとんどありません。

前述のように大型であるだけでなく、サイズの割りに高さのない平たい殻形状と明瞭な周縁角、荒々しいほどの成長肋など、非常に独特で見応えがあります。
本種は「ミヤマヒダリマキマイマイ」の亜種「ヒラヒダリマキマイマイ」と遺伝的にはほぼ同じで、単なる殻形のタイプとして扱う考え方もあるそうですが、周縁角の見られない前2種に比べて明瞭な周縁角があり固有の特色を持っています。

「三河」を冠した名前の通り豊橋市の嵩山を模式産地としていますが、現在は現地では生息が確認できておらず、他の生息地(東三河から遠州北部)も含めて観察は非常に困難です
ishidaとしても、石巻山を模式山地とする「オモイガケナマイマイ」と並んで観察してみたいカタツムリの筆頭に挙げていましたが、なかなか出会う機会がなかったのですが、
たまたま期待せずに出掛けた場所で同時に2頭を確認できた時にはちょっと舞い上がるくらいのうれしさを感じました。
とりあえず初の対面だったので出来るだけしっかり撮影しておこうと思いましたが、周辺の環境に配慮もしつつ、実際には足場の制約などで思ったような角度で自由に撮影するのが難しかったのですが、念願の出会いも事前に神社でお賽銭を奮発したお陰かなと感謝の気持ちと彼らの子孫繁栄を祈ってお別れしました。
自宅に帰って奥さんと娘たちにもこの気持ちを共有しましたが、理解はあるもののどこまで伝わったかな…(^^;

とはいえ、嵩山の生息環境の破壊も含め、特殊な環境を好む彼らの生息に適した環境が維持されるのはなかなか難しいと感じるのも事実です。
更にはマニアによる乱獲も影響が大きいようで、ネットで検索しているうちにだんだんと検索エンジンが学習してきた結果かYahooオークションで本種(も含めた希少な野生種)が販売されているような記事が頻繁にブラウザに表示されるようになり、希少種を山採りして小遣い稼ぎをしているような不届き物が多数いるだけでなく、それを購入するような輩もいるんだなと、ちょっと暗澹とした気持ちにもなりました…