イセノナミマイマイ
軟体動物門 腹足網 柄眼目 オナジマイマイ科 殻径約40mm 殻長約25mm
最も普通に見られるタイプです。裏側が見えませんがこの個体は「0-2-0-4型」の色帯を持っています。
色帯が4本あるタイプは「1-2-3-4型」。第1の色帯は大体このように薄くて次体層以降はほとんど無くなっている。
「0-2-0-4型」で殻の地色が赤みがかったタイプの個体。
第2の色帯がやや細い。この個体も「0-2-0-4型」の色帯。
この個体も「0-2-0-4型」の色帯。臍孔を取り囲んでいるのが第4の色帯。
無帯で明るい色の個体は軟体部背面の斑も薄い傾向がある。
螺搭が平べったく、弱い周縁角がある個体。
螺搭が平べったく、はっきりとした周縁角がある個体。
この日はアジサイ上で多くの個体がみられた。アジサイの枯れ葉は好物のようです。
ニッポンマイマイほどではありませんが、軟体部もよく伸びます。
「イセノナミマイマイ」は、東海〜近畿地方の平地とその周辺の里山に生息する大型のマイマイ属のカタツムリで、分布は静岡県西部から兵庫県あたりまでと西に偏りはありますが伊勢湾を取り囲むような形の分布を持つことから「伊勢の並マイマイ」と命名されています。 ishidaの子供時代によく遊んだカタツムリといえばまず「平たいやかんのような丸みがある褐色の殻に茶色い帯が1本入った」本種のイメージしかありません。 主に地上性で、昼間は落ち葉の下や葉の裏などに隠れており、夜間や雨天時に活動します。 ishida家裏山では晴れた昼間には休眠中のものもほとんど目に付かないにもかかわらず、雨の朝に探すと多数の本種がうろうろしていてびっくりすることもあります。 --------------------------- 2021.09.29 追記・写真追加 --------------------------- 本種に限りませんが、一般的にカタツムリは「梅雨」の時期に活発に活動し、繁殖行動もとっています。 柄眼類のカタツムリは雌雄同体ですが、交尾によってお互いの精子交換をしつつ、産卵もするのが普通です。 そのような頭で彼らの交尾を見ると、「恋の季節」というよりも「生きるための闘争」のように見えてきました。 ちなみに、キセルガイの仲間の場合は非常に寿命が長く、交尾自体も平和的で他のマイマイ類のように「恋矢」の刺し合いは無いのか、そもそも「恋矢」を持たないのか、単に「恋矢」による寿命への影響がないのか、どうなっているんでしょう。 |
大触角間の「頭瘤」が盛り上がって、右頬の生殖孔も膨らんでいます。「発情」というより「バトルモード」に見える。
自宅裏庭で見た交尾ペア。左の個体の生殖孔に「恋矢」が見える。
山地で見た交尾ペア。交尾しつつも、お互いに距離を取ろうとしている。