カドコオオベソマイマイ
軟体動物門 腹足綱 柄眼目 ナンバンマイマイ
科 殻径14mm前後

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最初に見付けた個体はコウガイビルに襲われたのか、粘液状の物質に覆われて死亡しているようだった。

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螺搭は低めだが、巻き数は多め。名前通り周縁角がはっきりしている。

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これはまた別の個体。

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大触角の間に「頭瘤」が見えるのは、発情しているから?

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接近し過ぎたら軟体部を引っ込めて落下しました。「オオベソ」の名前通り、臍孔は非常に大きい。

ishidaの地元では主に奥三河の山間地でしか見られない稀産種で、愛知県及び国のレッドリストではNT(準絶滅危惧種)に指定されている中型のカタツムリです。
愛知県のレッドリストの記載によれば、従来は「コオオベソマイマイ」と共に「アラハダヒロベソマイマイ」の亜種とされていたが、分子系統解析の結果からは別種とするのが妥当であろうとされています。

一見した印象では臍孔も大きく開いており、巻き数が多いわりに螺塔の低い殻形状は「コオオベソマイマイ」に似て見えますが、本種の場合は周縁角がはっきりしたそろばん型であり、ishidaの見た範囲(東三河産)ではサイズも本種のほうが一回り大きいようです。
また、本種の場合は「コオオベソマイマイ」や「イトマンマイマイ」のように殻表面に毛のような顆粒状のテクスチャは持っていません。

雨上がりの山を歩いていた際に粘液に覆われた個体を見付けましたが、その後1時間半後に見た際にも全く動いておらず、裏返してみると軟体部は残っているものの泡立っており、どうやらコウガイビルなどに襲われて死んでいる様子でした。
その後、周辺を探すと岩の表面で活動中の2個体を同時に発見することができました。
すぐに引っ込んでしまうことなく撮影には付き合ってくれましたが、ぐっと近寄ってフラッシュを焚いていたところ、2匹とも最後には軟体部を引っ込めて落下してしまいました。
一般的にはカタツムリは軟体部を引っ込めるだけのことが多いのですが、このように落下してしまうのは「ヤマタニシ」と「キセルガイモドキ」でしか見たことがない気がします。
「ヤマタニシ」の場合は「蓋」があるため、完全に引っ込んでしまうとくっ付いていられなくなるのは当たり前ですが、一般的なカタツムリの場合は落下しない方が良いようにも思いますが、そのような習性にも利点があるということでしょうか。(地上性の種の場合はそもそも腹側を完全に仕舞っても「落下」はしないでしょうが…)