ishida式の富士登山Part4
2008年7月6日(日) 大宮子丑会の富士登山第1回に参加しました。
今年に入って二度目の
富士山です。

 

お馴染みの山仲間K氏と(富士山仲間の)M氏が所属する「大宮子丑会」の富士登山に参加しました。
昨年の「日本男児なら、一度は行かなきゃ富士山頂」の拡大版として、大宮子丑会の年中企画行事(?)として開催されることになりました。
前回6月のK氏、OG氏との番外企画は別として、スケジュールとしての記念すべき第1回となります。

 

今回の参加者はKN氏、HH氏(以上2名は初登山)、いつもの(?)K氏とM氏、子丑会ではないが山岳部同期のTT氏、ishidaの総勢6名での決行となりました。
当日はAM4時に蒲郡出発の予定で、ishidaは豊橋より、TT氏は名古屋市郊外から自家用車で集合しました。

 

予定通り集合・出発して音羽蒲郡IC〜牧の原SAで朝食タイム。
当日の天気予報は「晴れのち曇り、所により雷雨」ですが、どんより曇った低い雲が立ち込め、牧の原では雲の中に入ってしまいました。
さらに富士川SAのスマートICで一般道に降り、富士宮市に入っても富士山の姿は見えません。
とはいえ、これだけ低い雲なので、山上は晴れが期待できます。


今回は、今シーズンの富士登山の無事を祈願するため、初めて「浅間大社」にも参詣しました。
清冽な湧玉池の湧き水で禊…は遠慮しておきましたけど。
とはいえ、大量の澄んだ水が湧き出し、ミシマバイカモなどの水草が揺れる間を巨大なニジマス(外来魚ですが)がゆったり泳ぐ様子は心も洗われる感があります。
しかし、湧玉池から一歩外に出た途端、多くの釣り人がニジマスを釣り上げています。
ここにも人間世界の世知辛さか…。
ちなみに私は豊橋市の東端の湖西連峰稜線上にある「浅間神社」には春から秋にかけては月に2回ほど参拝しています。
周辺の「富士見岩」から富士山の姿を拝んだことはありませんけど…

 

その後、市内の(いつもの?)コンビニで食料を調達し、希望者は金剛杖(800円也)もご購入。
K氏が「上ではもっと高いですよね?」と尋ねると、「○○(ライバルチェーン店)では850円で売ってるようですよ。」というやや期待からずれた回答が。
(後で見たところ六合目では1000円でした。ただし、六合目では長さや旗付などのバリエーションあり)
買い物とトイレもそこそこに、一路富士山スカイラインを目指して上り始めると、スカイラインの登山区間に入ったところで雲を突き抜けて晴天の下に富士山の姿が現れました。
思ったほど残雪が無い…現時点での富士宮口登山道は、残雪のため八合目以上は通行止めとのことですが、昨年ほどは多くないように見えます。


7時30分頃に駐車場に到着しましたが、奥の折り返しまで見えない付近に駐車でき、スペースはまだまだ余裕の状態でした。

サクッと準備して、登山道入り口でまずは記念撮影します。

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M氏による撮影なので、五人しか写っていません(^^ゞ。


登山道に入ると、早速頭上に富士山が全容を現わし、好天も相まってメンバーの士気も高まります。

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好天の下、意気上がる面々(息は上がっていな
い)。(左) 山頂が見えます(右)

まずは軽く足慣らしで六合目まで。皆さんまだまだ余裕?。
そして、六合目以降、いよいよ本格的な登山道に入ります。
富士山では、高度順応する前に頑張ってしまうと、後々の疲労につながります。ここはゆっくり行きましょう。
実は、六合目までは単なる遊歩道。時間的にも20分程度で標高差100mほどなのに対し、六合目から新七合目までが標高差実に300mもあり、富士宮口コースで最大の標高差なんです。
さすがにこれには登山初心者の2人はやられたようで、途中に休憩を入れます。
何せ、今回の目的は「みんなで安全に、楽しく八合目を目指す」(下心は除く)ことですからね。
前に述べたように、ここでの無理は禁物です。

 

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六合目〜新七合目間で休憩(登山経験者が立っているのは偶然?)

 

実際には、概ね標準コースタイム通りに新七合目に到着しました。
しかし、後ろからは、どんどん追いかけてくる怪しい影が…ではなく、南岸からの湿った空気が上昇気流に乗って、雲が発生して高度を上げてきています。

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七合目に到着!今度はTT氏が手だけ…

適当にエネルギー補給しつつ、次の目標地点の元祖七合目に向けて出発します。
元祖七合目までは240mと、やはり標高差は大きめですが、新七合目までの登りに比べると楽に感じます。
眼下には、新五合目の駐車場、六合目、新七合目が、巻き上がってくる雲の切れ間に(多分初めて来ると尚更)ずいぶん近くに見えます。

 

 

 

そして、ここから「下心見え見え山頂アタック隊」と「目標は八合目隊」に分かれることにしました。
ishidaの下心で勝手言ってすみません…。
初登山メンバーのサポートはK氏にお任せ(^^;して、ishidaとTT氏の2名は山頂を目指して早目に出発することにしました。
元祖七合目を出発し、暫くしてから後ろを見ると、「八合目隊」も付かず離れずすぐ後ろに。これってなんだか恥かしい…。

 

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八合目はすぐそこですが、なかなか着かない気が…

 

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八合目直下は岩場になります(左) 急な岩場に、さすがの山岳部OBのTT氏もうんざり(右)


しかし、一応元山岳部の「アタック隊」の意地で(?)途中からは歯科医視界の外へ…ただガスが巻いてきただけかな?

八合目直下は岩場の登りとなり、元山岳部とはいえ富士山初心者のTT氏、ややグロッキー気味。
八合目で大休止とし、早めの昼食でこの先の九合目、九合五勺に向けてのエネルギー補給をしておきます。


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八合目から下を見ると、五合目の駐車場(右端)まで見えます。


小屋前で昼食を摂っていると、あれれ?「八合目隊」が到着。時間差10分くらいしか違いませんでした(^^;

ここまでの行程で、山道具買出しの際に、靴選びに30分以上かけたH氏、即決のKN氏ともに快調とのことでした。

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無事八合目到着で万歳!あれ?TT氏は?。

 

初登山メンバーの靴の状態も問題なく、無事に目標地点まで到達できましたね。

「八合目隊」がのんびりしている間に、「山頂アタック隊(二人だけど)」も行動開始します。
鳥居を過ぎると、富士山は八合目から上は浅間大社の神域です。
背後の雲の上部がわらわらと盛り上がっていますが、まだまだ積乱雲が立ち上がる様子は見えません。
しかし、天気予報通りなら、雷雨の襲来も予想されるため、天候の変化に注意します。

 

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八合目以降は一般通行止め(左) 柱に硬貨がたくさん挟まっている「金の成る木」?(右)

 

TT氏、八合目上部の「金の成る木」に御満悦?
そうこうしている間に九合目「万年雪山荘」前に到達。ここで初めて雪を踏みました。
ここからは、九合五勺の小屋と、最後の難所「胸突き八丁」を目指して登ります。
その名の通り、九合目から九合五勺まではひと登りで到着です。

 

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九合五勺手前で初めて雪を踏む(左) いよいよ胸突き八丁に向けて…間違って小屋の屋根に登る図(右)


九合五勺の胸突き八丁小屋から見ると、胸突き八丁の斜面にはまだ雪が残っていますが、登山道自体は既に露出しているように見えます。
ここからは(ちょっとズルして)ブルドーザー道を通って直接最高地点の剣ヶ峰直下を目指します。
※胸突き八丁に雪が多い場合はこちらがエスケープルートですが、正式な登山道ではないので、落石等に注意して通行します。
しかし、傾斜はゆるいものの距離は長くなるため、歩き始めてからちょっと後悔(^^;
途中で山頂の測候所が姿を現すと、少し元気が出ました。

 

 

 

そして、やっと山頂の火口壁に到着。山頂火口の雄大な風景が見渡せます。
天候も、雲が巻き上がってきているために常に日差しがあるわけではありませんが、かえって暑くなくて快適。
風は一桁の気温のようです。
TT氏と一緒に登頂の喜びを記念写真に残しつつ、最後の難関(?)の登りをクリアして「日本最高地点」に到達しました。
前回は三角点に立たなかったと思うので、今回はここでも記念撮影します。

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長身のTT氏も石柱よりは低かった(左) お約束の日本一のishida(右)

 


 三角点から見た山頂火口のパノラマです。左右にスクロールしてご覧下さい。


登頂の成功の報告と、「八合目隊」がどの辺りまで進んだかの確認も含めて、K氏に電話を…と思ったら、山頂含めて火口の内側は「圏外」だっていう事を忘れてました。
「馬の背」まで下って電話したところ、「八合目隊」は既に宝永火口の底に到着したとのこと。
八合目隊員たちは直接五合目まで下らずに、六合目でエネルギー(泡立つ燃料?)補給するとのことです。

ここから「山頂アタック隊」は富士宮口コースではなく御殿場口コースへ直接下ります。

御殿場口コースの下山口は富士宮口山頂(浅間神社奥宮前)のすぐ東側にあります。
ここからは初体験ですね。

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下の鳥居が御殿場コースへの下山口

下り始めるとすぐに道はジグザグの九十九折れの道となり、急な岩場なども無くて歩きやすい印象です。
つい先ごろまではまだまだ雪があったようですが、こちらも現時点では残雪の上を歩くような場所はありませんでした。
御殿場口コースは山小屋も少なく、歩く人が少ないとの情報でしたが、今回も結局ランナーの方3人と会っただけでした。
山小屋は八合目周辺にあるだけで、御殿場口五合目からの標高差も他の登山口に比べて非常に大きいため、聞いたとおり実際に登る人はとても少ないようです。

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八合目の倒壊しつつある山小屋

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赤岩八合館が見えてきます。御殿場コースも開通前のため、まだ営業準備中。


環境省避難小屋と、小屋開け準備中の赤岩八号館まで下ると、北東方向に須走口五合目が見えてくるとともに、不穏な雲が徐々に近付いてきます。
いよいよ、遠くに雷鳴も聞こえる気が…演習場の大砲じゃないですよね。
さらに、砂走り館前に来ると、小屋前の鉄柱が「びいい〜んん」とうなっています。
鉄柱のうなりは雷雲の接近を現しているので、これは危険信号。
場所によっては下山路のロープを支える鉄製の支柱までうなりを発しているのも聞こえてきました。

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赤岩八合館から見た避難小屋。宝永山も近付いてきました。

 

「八合目隊」をお待たせしているだけでなく、天候の急変も予測して下山の足を速めます。
眼下にはもう宝永山手前の分岐も見えてきていますので、下山道と登山道の分岐から先、ざくざくの火山礫のルートとなってからはぐんぐん歩幅を広げます。
進む方向は、雷雲から離れる方向のため、宝永山の向こう側へ抜けてしまえば雷雲からは逃れられそうです。
しかし、背後の雷鳴はだんだん近付いて来るだけでなく、薄くなった頭のてっぺんに大粒の水滴が…
と思ったら、薄くなったせいじゃなくて、メッシュの帽子のせいかな?
そこへ、「八合目隊」が駐車場まで戻ったとの一報です。さらに先を急がねば…
宝永山分岐に到着すると、シャツの袖口(ウィックドライ性の高い帯電しやすい生地ですが)まで放電の「バリバリ音」をさせる始末で、大気には電荷がかなり溜まっている様子です。

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南側の空は平穏です。(左) やっと宝永火口分岐に到着。(右)

デジカメの電源を入れると、内部でジリジリと不穏な音まで…。(こんなの初めて)
なんとか宝永山の分岐から宝永火口内に入って、雷雲の追跡から逃れたと思ったそばから、再び大粒の雨粒がバラバラと落ちてきました。
さすがにこれにはたまらず、火口底に着いてカッパを着用することにしました。
カッパを着用後、いったん火口の縁まで少し登り返して少し下ると、前回見た「第2火口」の看板があります。
ここからさらに100mほど下った所に五合目への分岐があり、分岐を右に曲がると樹林帯に入り、天然カラマツ林の中のほぼ水平な道となります。


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雨から逃れて宝永第二火口分岐に到着。(左) 五合目手前でTT氏が(ToT)氏になった図。(右)


崩落地を過ぎて、周囲にダケカンバが多くなってきたところで小尾根を越えて回り込むと五合目駐車場の一番奥のUターンの前に出ます。
ここまででTT氏がToT氏になってきたような気が…電話でK氏に救援依頼(^^;して、車を回してもらいました。
御殿場方向に比べれば、富士宮側はそれほどの天候の悪化はありませんでした。
荷物の積み込みもそこそこに、そのままお風呂に向けて下山しました。
自家用車で山に登りに来て、運転せずに下山するのは初めての体験かも。いつもの「天母の湯」で登山の疲れを癒し、帰路につきます。
初参加のKN氏、HH氏共に、富士登山(前哨戦)を楽しんで頂けたようで一安心。
次回の山頂への挑戦にも意欲満々の様子(^^)
ただ、今回は「アタック隊」の独自行動のお陰で、ちょっと時間に余裕がなくなってしまったうえに、予報通りに天候の悪化もあったため、ご迷惑をお掛けてすみませんでしたm(_ _)m次回はサポートに徹します。

今回の教訓は 

「女心と天候の急変には、常に注意をはらうべし」 
女心の…経験ありませんが(^^;

 

で、帰路には浜松でお約束のウナギを食べて帰りました。
これでお腹も満足。一路、蒲郡へ(お家へ)と急ぎます。
ガソリン高騰の折りですが、今回は6名での割り勘のおかげで交通費は安く済みました。

次回はまた来週??