ishida式の「大川入山」登山
登山2024年12月12日(木)
近年にない猛暑から続く暖冬となり、雪の便りが恋しい12月中旬になって今シーズン初のスノーハイク(^^;

2024年は一大イベント(?)として、現地の梅雨明けを待っての「西表島遠征」を実施しており、夫婦揃って暑さには順応していたつもりでしたが、それを上回る猛暑続き、11月になっても夏日を記録するような異常な暑さが続き、心身共にお疲れ気味のishidaです。

何となく命の危険さえ感じる暑さで活動量が減ったため体重は順調に増えてしまっていることもあって、何となく山に出掛けるのも億劫になっていました。
そんなことでは本格的な登山シーズン(?)に山に行けなくなっちゃうよね…という心配さえしてしまう昨今でしたが、やっと重い腰を上げてお馴染み(たぶん今回で12回目の登山だと思う)南信の「大川入山(1908.3m)」へ出掛けました。

当初は12月9日(月)に出掛けようと考えていましたが、ちょうど実家の母を送迎する用事が出来てしまい、第2候補だった12月12日に決行としました。

当日は久し振りに(^^;早起きして3時の目覚ましで飛び起き、軽い朝食の後に買い出しして一路目的地を目指します。
前日は県境付近では時雨模様だったはずですが思ったほど寒くはなくて凍結の心配もなし、おまけに道中遅い車に引っ掛かることが全くなく平谷の道の駅に到着しました。
道中もほぼ雪は無く、陣馬橋からやっと路肩に雪が現れてくるくらいで、思ったよりも気温も高い(途中の道路表示でも−2℃)のは計算外でしたが…
道の駅でササッとおトイレを済ませ、更に数キロ先の治部坂峠を目指します。

現地の駐車場にも先行車はおらず、ここでもう一度軽い朝食の後に準備をしているうちにだんだん空が白み始め、周囲の山の様子も見えてきます。
標高1200mほどの治部坂峠の気温表示も−2℃となっており、駐車場には今週初めから昨日にかけての積雪が見られますが、山の木々には積雪していない状態です。
昨日の悪天候から晴れる方向に推移する天候だったためちょっと期待していた霧氷については、今日のところはやや期待薄っていう感じでしょうか…。

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やっと空がわずかに白み始めた頃に駐車場に到着。

まだ日の出前ですが、準備も完了したし周囲も明るくなってきたのでのんびり出発することにしましたが、林間に入るところで後続の登山者らしき車が駐車場に入ってくるのが見え、何となく焦る気持ちも出ちゃうのがishidaのいけない所ですね…(^^;

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気温がそんなに低くないのでちょっと軽装。(左) やっと空が明るくなってきました。(右)

とりあえずペースを控え目に心掛けながら水場を過ぎてお馴染みの針葉樹林の根っこがうるさい登りをこなし、ちょっと巻いて主稜線に出るまでは、積雪のお陰でほとんど地面を踏むことなく来ることができました。
昨日の下山者の足跡の上にわずかに積雪が被っているという状況ですが、笹や木の上には雪が乗っていないので歩き易い状況で助かります。
これまたお馴染みの痩せ尾根からは雪もサクサク・フカフカでいい感じ、横岳手前の急登を淡々とこなしてやっと「横岳(1574.6m)」に到着です。

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痩せ尾根まで来ると雪もサクサク・フカフカ。(左) 朝日を浴びるカラマツ林にほっこり。(右)

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急登の途中から見る「大川入山」。今日は「無氷」でした…(^^;

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「横岳(1574.6m)」に到着です。

横岳から先は開けた気持ちの良い尾根道になり、周囲もダケカンバ林が現れます。
本当ならこの辺りから霧氷が全開になっているのが絶好のシチュエーションなんですが、何回も来ている中でも実際はそんなことはめったにありませんけど…(^^)
この先は木の間から目指す大川入山や周囲の山々が見渡せますが、初めて来た頃に比べてだんだんと木が育ってきているうえに積雪も少ないため笹薮も埋まっておらず、登山道からでは写真撮影スポットは限られる感じですね。

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明るいダケカンバ林の雰囲気は大好き。

何度か上り下りを繰り返してだんだん嫌になってくるころ、稜線上の最高地点(1683.6m標高点)の手前になってやっと「大川入山まであとおよそ2km」の看板に到達します。
標高点ピークを越えて更にもうひとコブ超えた先がいよいよ本峰に取り付く最低鞍部(かつては「舞鶴のコル」と看板があったと思う)に到着です。

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「大川入山山頂まであとおよそ2km」の看板。

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樹間からは目指す大川入山がまだまだ高く見える

ここから山頂までは標高差250m強のほぼ登り一辺倒ですが、この先の景色のご褒美に期待して長い登りにかかります。
登り始めるとさらに「大川入山まであとおよそ1km」看板が現れ、急登を登るとややなだらかになった場所から東側の展望が開けるご褒美ポイントです。
更に樹林帯に入ってもうひと登り、道がえぐれて歩きづらい場所を過ぎて登山道の向きが東から西向きになる先でやっと樹林帯を抜け、山頂直下の笹原に連なる斜面に出ます。

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最初のご褒美ポイントに到着っ!

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たどってきた尾根と治部坂峠を挟んだ東に蛇峠山、はるか遠くに奥遠州の山々と南アルプス前衛峰群。

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山頂直下の笹原へと続く斜面に出ました。南と西側の展望が開ける。

笹原に出ると、これまで見えなかった西側の展望が開け、この日は三河の山の向こうに豊田市街、さらには伊勢湾を挟んで鈴鹿山系まで見えています。
この場所まで到達すると目指す大川入山の山頂は目と鼻の先ですが、ishidaの脳内モードが撮影モードに切り替わり、なかなか歩みが進みません。

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奥矢作風力発電所、背後は西三河の平野部。

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奥矢作風力発電所のアップ。後ろ左寄りは豊田市の市街地。

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ishidaの好きな1796.8m標高点ピークの笹原。

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左に猿投山、右に三国山へと続く丘陵地は愛岐県境。その後ろに名古屋のビル群がのぞく。

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左が茶臼山、その右に平岩明神のとんがり帽子、右手に明神山、宇連山や鳳来寺山、古町高山。

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岐阜、大垣の市街地の向こうには伊吹山。

どんどんと開けてゆく好展望の中、山頂に向かって続く笹原を進みながら高度を上げてゆくと、あと一息で山頂です。
毎回この笹原の最後の登りは体力的(精神的?)にきつく感じてしまうんですけどね…(^^;

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山頂までの標高差はあと70〜80mくらい?急傾斜ではないけど何だかつらい最後の登り。

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東に派生する支尾根を越えると南アルプスが見えてくる。南部の巨人たち。

今回は小休止や撮影時間も含めてきっかり4時間かかってやっとのことで山頂に到達です。
普段の奥さんとのトレーニング的な低山歩きのペースを意識して今回は出来るだけペースを控え目にしてきたおかげで今回は体力を使い切ったなと感じるほどではありませんが、やっぱりそれなりにしんどく感じるのは、やっぱり年々体力が落ちているっていうことの現われですね。
ちなみに、昨年同時期の記録を見てみたら山頂まで3時間(それでも後続の人に抜かれた…)だったので、それに比べても今日はかなりスローペースだったんですね(^^;

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やっと山頂に到着っ!

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山頂から見る中央アルプス。

標高1908.3mの山頂からの眺めは360度の展望という訳にはいきませんが、北西にある「恩田大川入山」を除けば他に高い山は無くてほぼ独立峰に近い姿の山なので、周りに木がなければ基本的には眺めの良いロケーションの山です。
北側には清内路の谷を隔てて中央アルプスの主峰群が見渡せますが、北斜面のダケカンバが育ってきているため、山裾はちょっと隠され気味でさらに西寄りは灌木に隠れてしまっています。
東側の南アルプスの展望〜南〜西も木に隠されてしまっており、木の隙間を縫うように歩き回れば南や西寄りの展望も望めますが、ここまで来る途中の大展望を思うと山頂からの眺めはちょっと寂しい感じを受けるかもしれません。

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山頂から、西寄りにあるishidaの好きな1796.8m標高点ピークを見下ろす。

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山頂部の笹原から西の1796.8m標高点と隣りの1886m標高点ピークを見る。山頂からの眺めはこれが限界。

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1886m標高点ピークと左の能郷白山、右の荒島岳。

しかし、実は山頂から西側の縦走路に入って次のピークとの鞍部あたりまで行けば南アルプスや中央アルプス、恵那山などの展望が大きく開ける場所があり、遠くには能郷白山、荒島岳、白山なども見渡すことができます。
昨日までの登山者でも意外に知らない人たちが多いようで、山頂をそのままスルーして西に歩くとすぐに踏み跡は消えてしまい、膝下くらいまでの新雪が堆積していました。
せっかく来たならこの景色を見ないと本当にもったいないと思うんだけど…(^^;
とりあえず本日一番乗りで絶景を楽しみました。


山頂西側の斜面から見たパノラマ。左右にスクロールできます。

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普通に山頂にいるだけでは見えない恵那山。右は登山道の無い恩田大川入山。

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左から御岳、乗鞍岳、穂高連峰。

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中央アルプスも手前に障害物の無い状態で見えます(^^)

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1796.8m標高点ピークも表情が違って見える。


南アルプスの好展望ポイントからは南アの3000m峰が全て見える。横にスクロールできます。

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伊那谷を挟んで仙丈ケ岳と鋸岳、左は八ヶ岳。

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北部の重鎮たち。塩見岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳。

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南部の重鎮たち。聖岳、赤石岳、荒川岳。

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上河内岳と茶臼岳の間の稜線の向こうに富士山の山頂がちらっと覗く。

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西側の鞍部から大川入山山頂方向を振り返る。

とりあえず撮影ポイントは熟知している(^^)つもりなので、それぞれの山が良い感じに撮影できるポイントをうろうろしながら効率的に撮影…なんて思っているうちにいつしか時間は過ぎ、山頂まで登り返したところで山頂到達から既に1時間を過ぎていました。
山頂に戻ったところでちょうど後続の山慣れた感じのご夫婦が到着、ちょっと話を聞くと大川入山には年に何回も来ているそうです。
山頂でお昼支度のお二人さんとお別れして、ishidaは山頂から少し下った笹原の展望ポイントで昼食タイムとします。
いつもコンロを持参しているにもかかわらず「コンロを準備してお湯を沸かしてカップ麺を食べ、コンロを片付ける」というのが面倒になってしまい、パンやおにぎりの行動食だけで済ませてしまうという悪癖を避けるため、今回は冬の登山初の「保温ボトルに自宅でお湯を沸かして持参」してカップ麺etc.を食しましたが、やっぱりこのほうが準備・片付けが楽でいいですね(^^)。

山頂で昼食を済ませて下山してゆくお二人さんを見送り、お腹も満足したところで自分ものんびり下山にかかります。

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山頂を後にして下ります。(左) 眺めの良い笹原の途中でお昼をとります。(右)

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正午近い日差しに明るく見える1796.8m標高点ピークの尾根。

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これから急降下する最低鞍部と横岳へ続く尾根。

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午後は蛇峠山の西斜面にも陽射しが入ってきます。

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山頂から東へ派生する尾根と南アルプス南部の尾根。

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樹林帯の林床も雪の反射で明るい雰囲気。

午後の陽射しになって、冬の低い角度で太陽光が林床に射しこんで明るい雰囲気なのも大好きですが、やっぱり帰路は消化試合的な気持ちになりがちかも…
登山道の踏み跡を見ると、先ほどの二人連れ以外にあと一人分の足跡とストックの跡(スノーバスケットではないのでishidaのストックじゃないよね)が残っているようで、ishidaが山頂西側で遊んでいる間にもう一人の登山者が往復しているらしいのが判りました。(それがishidaの出発時に入ってきた車の主のようですね)

帰路も陽射しは暖かく感じるものの気温は低めで、いつも日当たりが良くて地面が出てしまうような場所でも融雪は最小限で、ほぼ靴も汚さずに登山口まで下ってくることができました。

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日射しが気持ちいいが、気温は終始低めで融雪も最小限でした。

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エブリちゃんの待つ駐車場。結局ここでも気温はずっと氷点下だったみたい。

駐車場に戻るとちょうどお二人連れの方たちは帰宅してしまったようで、単独行の方が店仕舞い中で、その人がもう一人の後続の登山者だったようです。

関係ないけど…朝の出発時に駐車場に動物の死体があるみたいだなあと思っていたものを下山時に見てみると、タヌキの死体が頭と尾・手足を残してほぼ骨だけになっていました。
帰宅後に確認したところ、朝の駐車場の写真の隅に映り込んでいる状態はまだ骨だけになっていなかったようだし、朝とは位置も移動しているようなので、今日の昼間になってから何か他の動物に食べられたんでしょうかね…

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頭と足先、尻尾以外はすっかり骨だけになった狸の亡骸。クリックするとカラー画像が開きますが閲覧注意で…(^^;

自宅の奥さんに無事下山の報告を入れ、今日は(今日も?)入浴はオミットして晩御飯ポイントへまっしぐら…峠と道の駅での道路標示では気温は0°Cでした。
ちょうど良い時間に晩御飯を食べられるなと思ったら、第1目的地だったお店はちょっと行ってない間に閉店してしまった(T^T)ようです。
仕方なく、第二候補のCoco壱番屋でカレーラーメン+とんかつ+旨辛にんにくトッピングを食して帰りました。

この日は往復の行程も含めて終始好天、歩行ペースは遅めでしたがそのぶん疲れもあまり無く、霧氷が見られなかったのを除けばいい感じの山行でした。

-------------------------------- 本日の行程 --------------------------------

自宅3:37 --- 買い出し 3:45 --- 5:36 道の駅 5:48 --- 5:57 治部坂峠駐車場(往路106km)
駐車場 6:40 --- 登山口 6:49 --- 7:26 尾根道 --- 8:03 横岳 --- 9:02 あと2km看板 --- 9:33 最低鞍部 --- 9:45 あと1km看板 --- 10:06 笹原 --- 10:41 山頂〜西鞍部etc. 11:44 --- 12:09 昼食 12:33 --- 12:48 あと1km看板 --- 13:23 あと2km看板 --- 14:15 横岳 --- 15:00 登山口 --- 15:05 駐車場
駐車場 15:32 --- 15:40 平谷道の駅 15:49 ---- 17
:55 晩飯 18:34 --- 18:41 自宅(復路106km 往復212km)