前回は「南沢山・横川山」でご一緒したすがぴさんの企画に便乗し、富士山好展望の山へ。 雪が踏めて、なおかつ富士山の展望が良い山ということで、天子山塊北端の山、竜ヶ岳へ。 お正月はダイヤモンド富士で有名なだけでなく、辰年の2012年は干支にちなんで更に人気の山ですね。
今回はすがぴさんのお誘いにおんぶにだっこでの参加です。 豊川市で合流後、総勢4名でちょっと曇りの空を心配しながら東名高速で一路、富士山方面を目指します。 焼津の辺りからは白み始めた空に富士山のシルエットが見えて一安心です。 いつもより白く見える毛無山を見つつ、朝霧高原には林床に雪がちらほら。 道の駅で休憩後に本栖湖方面を目指すと周囲は急に雪景色。 朝霧に包まれた本栖湖で、ちょっと写真撮影タイム(^^;目指すキャンプ場駐車場も目と鼻の先でした。 駐車場には、既に出発された先行者の車が3台のみです。 自分たちもそそくさと準備して、早めに出発します。 今回のishidaの装備は、車道歩きを予想して普段の冬用登山靴は避けたため普段の富士登山などで使用している軽登山靴で、初めて本格的に雪の上を歩きます。 軽登山靴なので、アイゼンも今まで持っているだけで使ったことがない「軽アイゼン」を持参しました。

朝霧が幻想的な本栖湖。
駐車場からずっと雪の上を歩き、キャンプ場の中を進んで竜ヶ岳登山口を目指します。 登山口からは圧雪が凍った状態の路面が続き、スリップに注意しながら進みます。 杉の植林地と自然林の境をジグザグに登ると、葉を落とした木々の間から青木ヶ原樹海、大室山、富士山が見え、徐々に姿を変えていく様は疲れを忘れさせてくれる効果もありました。
 登りはやや凍結有り。(左) 高度を上げてゆくと歩きやすい雪に。(左)
しかし、下界の国道ではやけに救急車のサイレンが行き来していたり、頭上を通過するジェット機の音が低く聞こえます。 ジェット機の音は、どう考えても旅客機じゃない(戦闘機?)と思ったら、二度目に更に低く通過する姿を確認したら、救難指揮機U-125Aだった。 前後して、メンバーの携帯に災害情報メールが着信、「富士五湖方面で震度5の地震が発生した」むむ?? ??全く気が付きませんでした??(たぶん車に乗車中)
そんなこんなで、まずは見晴らしの良い小ピークに到着、富士山の展望と青く澄んだ本栖湖、これから目指す竜ヶ岳の眺めを楽しみます。 (後で判ったんだけど、実際には竜ヶ岳の山頂は最後まで見えないようです。)

小ピークからの本栖湖。(左) まだ午前の逆光でシルエットの富士山。(右)
 これから向かう竜ヶ岳。(左) ちょこっと下りですが気を付けて。(右)
小ピークからは、小さな鞍部をはさんでなだらかな笹の斜面を進む登山道を行き、一気に東から北方向の展望が開け、快適に登れます。 周辺の笹原にはアセビやリョウブなどが矮性化した樹形を見せていて、独特の景観です。 再び道がなだらかな高まりに達すると、広い笹原の中に東屋と石仏の祠があり、休憩の好適地です。 富士山の眺めと、周囲の笹原、竜ヶ岳の山頂方向に連なるなだらかな尾根の眺めが最高ですね。 思ったより人も少なく、気温は低いのですが風もほとんどないので快適です。

竜ヶ岳本体に取り付くと、いよいよ富士山が全体を現します。
 北側には広大な青木ヶ原樹海と御坂山塊。中央手前が先ほどの小ピーク。
 東屋手前からの竜ヶ岳。(左) 表面は今週降ったザラメ雪。(右)

笹原に浮かぶ富士山。
 お地蔵さんの鎮座する祠。(左) 休憩用の東屋。(右)
 富士を貫く(?)氷柱のカーテン(^^;
 大室山をはじめとする寄生火山群を従えた富士山。
 青木ヶ原樹海と御坂山塊。中央右は西湖。
 本栖湖とパノラマ台。背後には茅ヶ岳、瑞牆山、金峰山、国師ヶ岳、甲武信ヶ岳など。
 ありきたりですが、富士山の展望が目的なので(^^)
東屋から再び尾根に取り付いて笹原の斜面を登ると、やや傾斜が緩くなったところに本栖湖への分岐が現れ、再び斜面を登ります。 全体的に丸くてなだらかな稜線は、なかなか山頂を見せてくれません(^^; とはいえ、雪質も良くて歩きやすい笹原の斜面と、(少々靄がかかっていますが)次々に開けてくる展望のお陰で飽きることはありませんでした。 で、いつの間にかひょっこりと広々した山頂に到着です。 西には南アルプスも姿を見せてくれ、曇りを予想したいた割には思ったよりも展望が良くて大喜びです。

山頂手前のブナ。
 山頂では聖岳〜鳳凰三山まで、南アルプスの重鎮たちがお出迎え!
南のタカデッキと雨ヶ岳。(左) 山頂からの富士山。(右)
ちょうど人も少なくて、ベンチでまったり(^^)ちょっと早めですが、お昼ご飯の時間にします。 日差しに加えて、風がないお陰でとっても快適ですが、気温は低いためグローブを外すと手がかじかんでしまうほどです。 やっぱりこういう時は、ishida式では「ラーメン」ですね(^^)
時間に余裕があれば端足峠を挟んで南にある「雨ヶ岳」にも足を延ばそうという計画でしたが、早々に断念(^^;して、のんびり過ごすことにします。
 赤石岳、荒川岳、塩見岳、白峰三山(雲の中)、鳳凰三山。

午後の日差しに浮かぶ富士山。

下山前に北岳が姿を現してくれました。
午後の日差しと風向きの変化のためか、富士山にも徐々に雲がかかり始めてきています。 お腹も満足したところで、南アルプスの展望を求めてうろついたりした後、下山することにします。 ここで下山に備えて(前から持っていたけど初めて使う)軽アイゼンを装着です。 下山ルートは、いったん来た方向に戻り、本栖湖へ真直ぐ下るルートを取ることにしましょう。

下山コース入り口でエネルギッシュな樹形を見せるブナ。
 明るい林床と、足下に吸い込まれそうに青い本栖湖(左) 遊歩道コースのカツラの大木からエネルギーをもらう。(右)
分岐から先は急斜面を細かくジグザグに下るようになっていて、登りに使ったルートよりも雪質も良く、足元には真下に本栖湖の青い湖面が見えて快適です。 葉を落としたブナやミズナラ、ナツツバキなどの間を縫って歩く登山道は歩きやすいだけでなく、明るくて気持ちの良い道が続きます。 富士山方面から流れてきた雪雲から落ちる粉雪も楽しいプレゼントくらいの気持ちでした。 途中から遊歩道コースへ分岐し、カツラの大木も見つつ、キャンプ場の駐車場まで、土の上を歩くことなく戻れました。
雨ヶ岳をオミットしたお陰で、今回はなんだかいつもより早い(?)下山ですね。 全く汚れなかったので、片付けも簡単で、さっさと撤収して次の目的地「風の湯」を目指して移動します。 お風呂へ向かう道すがら、国道に出たところでの温度計は0℃を表示していて、周囲の雪も朝とほとんど変わりないくらいの状態でした。
今回初めて行く「風の湯」は、湯船は広くありませんが、国道から外れているせいか空いていてのんびりできました。 (ただ、「天然バナジウム温泉」って、最近一部で流行のアレな感じ。そもそも本来の温泉の定義ではないですよね(^^;) でも、富士山周辺の入浴施設のほとんどが「時間制」なのに対して、時間制限がなくて休憩室も広いのはとっても良いですね。
お風呂でのんびり、高速の牧ノ原SAで晩ご飯と家族にお土産(ishida的にはまっている「牧の原ロール」)を購入して帰途につきました。
----------------------------------本日の行程----------------------------------

本栖湖キャンプ場駐車場8:25---8:40登山口---9:15小ピーク9:20---9:45東屋10:00---10:40分岐---10:50山頂
山頂12:50---13:00分岐---13:45遊歩道分岐---14:30キャンプ場
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