奄美群島と沖縄諸島に生息する大型の毒蛇で、肉食獣のいない沖縄では最も高次の生態的地位にあるものと思われます。 気性も荒くて沖縄本島での咬傷被害が年間数十件あるとのことで、毒性が強いだけでなく毒液の量も多いため、日本中を見回しても重篤な症状となる恐れが最も大きい毒蛇でもあります。
沖縄に旅行すると必ずといっていいほど「ハブに気をつけて」って脅かされるんですが、旅行者で本種に出合った人の割合ってどのくらいなんでしょうか…(^^;。 もともと夜行性の動物ということもあって意外に旅行先で出会うケースは稀なようで、かくいう自分も、沖縄遠征3回目(延べ21日間)で1回しか出会っていません。
写真の個体は、珍しくも真昼の林道をレンタカーで走っていて出会いました。 蛇の体長を目測するのは難しいのですが、ちょうど林道の路面を横切っているところに遭遇したので全長が2m前後だろうと見えました。 慌てて車を停めてそっと近付くと、こちらに気付いたハブと目が合っただけでなく、移動を止めて前半身を高く持ち上げながらタメをとる攻撃的な姿勢に圧倒されました。 攻撃的で迫力のある姿だけでなく、全長2mとした場合には体長の2/3の約1.4mが範囲が攻撃可能範囲だと思うと、やはりかなり危険な生き物といえそうですね。
国頭村比地にある環境省の施設「ウフギー自然館」で話を聞いたところ、やはり昼間に見るのはとても珍しいようです。(もちろん、いくらishidaでも夜には出会いたくないけど…) 写真のように腹部は白く、黄色地に斑紋が入るものが普通(金ハブ)ですが環境によって地色が灰色(銀ハブ)や斑紋が黒いもの(黒ハブ)など、変異は大きいようです。 石垣島や西表島などの先島諸島には別種でやや小型の「サキシマハブ」が分布します。 |