ザトウムシの一種(ナミザトウムシ?)

鋏角亜門 クモ網 ザトウムシ目 スベザトウムシ科?  約6mm

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まるで宙に浮いているような姿です(この個体は左第4脚を失っている)。

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歩脚の脛節先端と跗節付け根が白いのが目立つ。

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全体が楕円形の体型です。

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これは左(オス?)の個体がが右(メス?)の個体に向かって求愛しているように見えました。

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こちらも良く見る「背中にとんがりがある」もの。「アカサビザトウムシ」というやつ?

これは付近の山地で最もよく見かける仲間です。
この仲間は特に肢が細長く、まるで身体が宙に浮いているように見えます。

草の上や葉の表面、花の上などにも姿を見せ、見掛けによらず活動的なようですが、それほど敏捷に逃げ回ることもなく、撮影もし易いほうです。

子供の頃は「メクラグモ」(差別的表現で申し訳ありません)と呼んでいて、薄暗い林床や床下などにいる虫というイメージでした。
「座頭虫」とは、特別長い第二脚を触角代わりに使って歩く姿を、目の不自由な方が杖で物を探りながら歩く姿に見立てているそうです。
しかし、何故使うのが第二脚なのかしら?(そのほうがバランス的に良好なんでしょうか)

クモ型類の中ではどちらかというと「ダニ」に近いイメージがあり、ダニ亜網に分類されていますが、実際にはダニとはそれほど近縁ではないとのことです。
体形は頭胸部と腹部が一体に見えることなどはダニに似ていますが、一対の単眼を持っていることや、肢の末節が細かなフ節になっている(そのお陰で柔軟性がある)、腹部の体節が明瞭にある、などの独特な姿をしています。
よく見ると、つぶらな瞳で可愛らしい感じも…
クモ網の仲間としては例外的に「ペニス」を持ち、交尾をすることが知られているとのことです。(クモはオスが「触肢」を使ってメスの雌性器に精子を受け渡すので、交尾ではなく「交接」と呼ぶ。)

また、見ての通り脚が細くて華奢なこともありますが、危険を感じると自切してしまうようで(全て基節から失っていることから予測されます)、脚の数が足りない個体が非常に多くいます。

目の後方(腹部の中心近く)に突起が有るものと無いものがいるなあと思っていましたが、実際にはそれぞれ種類が違うようです。