ヤンバルヤマナメクジ

軟体動物門 腹足網 柄眼目 ナメクジ科 体長約100mm

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夜の森で見た大型個体。だいたい120mmくらいに見えた。

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大触角は短めで、小触角は体の下側にあって目立たない。

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実際には立ち枯れ木を上に向かって這っています(^^;

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体腔部がもっこり膨らんでいる。和菓子みたいな質感(^^)

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長く伸びている状態。

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昼間、枯れ木の表面を這っていたもの。やんばるの森の中では意外に昼間でも活動している。

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これは本部半島で見たもの。暗褐色の縦筋がちょっと目立つ。

「ヤンバルヤマナメクジ」は沖縄本島北部の森でよく見られる大型のナメクジです。

一般名称としての「ナメクジ」は、「陸上のカタツムリが殻を無くす方向に進化したもの」の総称で、日本で見られるものは「ナメクジ科」「チャコウラナメクジ科」といったあたりが主流ですが、ほとんどが夜行性のため活動しているところはほぼ夜にしか見られません。
本種は一般的には大型かつ黄褐色のほぼ単色の大型ナメクジで、主に沖縄本島北部のやんばるで見られることからそう呼ばれています。
しかし実際には研究が進んでおらず、正式に学名の付いていない未記載種だとのことです。
「ゲッチョ先生」として自然科学に関するエッセイや解説書を出版されている森口満さんの「ゲッチョ先生のナメクジ探検記」によると、やんばる産のものは単色で黄褐色、中部や南部では斑紋のバリエーションのあるものが何タイプかいて、それらも単なる地域変異であり全て同種であろうと考えられるとのことでした。

やんばるの森では倒木や立木の表面でよく見られ、昼間でも石や倒木の下に隠れずに日光の当たらない側の面に回り込むようにして休んでいるところが見られます。
個人的には普通の「ナメクジ」という柔らかくてぬるぬるというイメージに対して、何だかモッチリした透明感が和菓子のような質感に感じます。

沖縄在住の人の中には「日本最大のナメクジ」と思っている人がけっこういるみたいで、ブログなどでそのように書かれているのを見掛けますが実際には本土の山地に生息する「ヤマナメクジ」のほうがずっと大きいと思います(^^)
ただ、軟体動物でも殻のサイズで語れる普通のカタツムリに対して、伸び縮みの激しいナメクジの正確な体長ってどうやって測ったらいいんでしょうね(^^;