ニッポンマイマイ(カドバリニッポンマイマイ?)

軟体動物門 腹足網 柄眼目 ナンバンマイマイ科 殻径約22mm 殻長約20mm

nipponmaimai_P1336700.jpg - 78,934Bytes
軟体部は非常に柔軟で思った以上に伸縮します。

nipponmaimai_P1336713.jpg - 76,049Bytes
ゴムゴムの実を食べた結果、このような特殊能力を獲得(^^)

nipponmaimai_P1336847.jpg - 127,264Bytes

nipponmaimai_P1336805.jpg - 82,134Bytes
周縁角がかなりはっきりしています。

nipponmaimai_P1348425.jpg - 107,852Bytes
こちらは黒化した個体。軟体部も別種かと思うくらい黒い。

nipponmaimai_P1348489.jpg - 114,314Bytes
上と同じ個体ですが、かなり殻高が高く、逆に下面は平坦に見えます。

nipponmaimai_P1348607.jpg - 97,261Bytes
明るい色の個体は軟体部も薄い色合いの傾向がある。

nipponmaimai_P1348732.jpg - 69,826Bytes
まだ未成熟と思われる殻口が反っていない個体。

nipponmaimai_P1359643.jpg - 97,135Bytes
アクロバチックな体勢で細い枝から枝へ乗り移っています。

nipponmaimai_P1359032.jpg - 122,038Bytes

nipponmaimai_3948.jpg - 107,368Bytes
内部の軟体部の斑紋が透けて放射状の模様に見える。

「ニッポンマイマイ」は、本州と四国の広い範囲の平地から低山地に生息する中型のカタツムリで、「 Satsuma japonica」が学名で、陸貝として最初に「japonica」の種小名がつけられたことから「ニッポン」を冠につけた和名となったとのことです。
ただ、亜種も含めて九州には分布しないはずなのに何故属名が「Satsuma」となったのかについてはよく判りません…。

殻の形態は殻径と殻高が大体同じくらい、全体に螺搭が滑らかに高い(タニシのように螺管が丸くて縫合部が窪んでいる形状と違って、縫合部が全体に滑らかに繋がっている)独特の形状をしています
同属では「ヤマタカマイマイ」や「オキナワヤマタカマイマイ」のように殻高が殻径を上回るようなもっと背の高いものも見られます。

広い範囲に分布する広域種ですが地域的な亜種として数種あり、「カドバリニッポンマイマイ」は関東の西部から東海・北陸地方に分布しており、殻の周縁角が明確なエッジになっていることから「角張り」と命名されています。
ただし、実際には中間的なものも多くいるようで、ちょっと判断に悩むような形態のものも見られます。
三河地方は亜種「カドバリニッポンマイマイ」の分布域に入っており、ishidaのストックの画像を見ても、周縁角が確認できないアングルのもの以外は概ね弱いエッジ〜強いエッジがみられます。
殻色は茶褐色が基本ですが、軟体部を含めてより黒化するもの、逆に色が薄いものは内部の軟体部が透けて見えて放射状の火炎彩模様が見えるものなど様々です。

本種は主に樹上性で、昼間は落葉の裏などに隠れており、夜間や雨天時に植物上を活発に移動しながら活動します
特に他のマイマイ類に比べてより高度に樹上生活に適応しており、軟体部を大きく伸ばして葉から葉、枝から枝へと乗り移ることができます。

---------------------- 2021.10.18 写真追加 --------------------------

色彩変異については想像以上の幅があるようで、殻色は白色(ほぼ透明)〜茶褐色、軟体部は真っ黒〜ほとんど白に近い明褐色のものが同所的に見られます。
ただし、ishidaには同属の「コベソマイマイ」との境界線が今一つ判らなくて、螺塔が低いものについては混同している可能性があって自信がありません…(^^;

nipponmaimai_P1382576.jpg - 126,735Bytes
真っ白く見える殻(実際は半透明)の個体。

nipponmaimai_P1394115.jpg - 130,148Bytes
コーヒー色の個体。

nipponmaimai_P1394732.jpg - 83,691Bytes
真っ黒けの個体。殻は半透明な茶褐色で、軟体部の色が透けて黒く見えている。