ミカドギセル

軟体動物門 腹足綱 マイマイ目 キセルガイ科 殻径3.5mm 殻高25mm程度

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落ち葉の隙間から覗く独特の殻形状を見付けて感激!の初対面。

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申し訳ないけど、ちょこっと殻口を見せてもらった。ずいぶんまん丸なんだね。

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歩き始めました。かなり老成した個体で、殻表がすっかり摩耗している。

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茶褐色の殻皮がまだ残っている個体。

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巻き数はサイズのわりに多くて、この個体で17層ある。

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この個体は成熟しているものの新鮮な殻皮で表面がきれいです。

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軟体部はいたって普通。下に見えるのは「アズキガイ」の幼貝。

滋賀県・岐阜県・三重県県境周辺の石灰岩地帯だけに生息するちょっと特異な殻形状のキセルガイで、個人的には巻き数が多くて太さが急激に変化する殻形状が格好良いと感じます。

「カタツムリハンドブック」で見て以来、実際に現地で見てみたいと思っていたものですが、2022年に岐阜県の石灰岩地帯で初対面できました。
生息地は限られるものの希少種というほどでもなく、現地へ行けば個体数も多いので見付けることはそう難しくないと思っていましたが、実際にプチ遠征して出掛けた第1候補地では予想に反して見付けることが出来ませんでしたが、幸いにも続けて訪問した第2候補地で何とか出会うことができ、一安心。
やはり生息地は限定的ですが、部分的にはそれなりに密集して生息しているようです。

殻表は全体的に茶褐色で成長脈も繊細な感じですが、老成した個体は殻皮が摩耗して白っぽくなっており、成長脈もあまり目立たなくなっています。
もちろん殻の頂上に近い部分が非常に細長く、途中から急激に太くなる棍棒状の形状が特徴的ですが、殻頂に近い部分の胎児殻(孵化した時から持っている殻)辺りは縫合部がコルネ状にくびれていますが、それ以降は各巻き層がスムーズに繋がっているのも独特です。
殻が特徴的なのに比べると軟体部は明るい褐色で模様などは無く、いたって普通のキセルガイという感じですね。

現地を訪問した日は未明の雨が上がって以降は晴れ時々曇りという天候で、第2候補地に到着したのが昼前くらいだったためか、活動中の個体はあまり多く見られませんでした。
もちろん生息環境保全のため落ち葉を掘り返したりしないのがishida式なので、活動が活発な天候や時間帯に訪問するというのが鉄則ですね(^^;
見られた個体も全体に殻の摩耗したものや殻頂が欠損したものが多かったため、もう少し現地をリサーチしつつ、天候も見て新たな観察地も探索して撮影してみたいですね。