コウガイビルの一種
扁形動物門 有棒状体綱 三岐腸目 リクウズムシ科 体長40mm程度
イチョウの葉のような頭部の形態が「笄」を連想させるとのこと。
背面には明瞭な茶褐色の背中線があり、その両側にも暗色帯があって体の後半がやや濃色。
頭部の先端から根元のくびれの両側に「光受容器官(眼点)」がある。
同じ種かどうかは判りませんが、カタツムリを捕食中のもの。笄型の頭部が丸く縮こまっている。
コウガイビルに代表される「扁形動物」に属する動物は、陸上で普通に見掛ける生き物の中では最も人間から程遠い分類群とも言って良いような生き物です。 「三岐腸目」の生き物としては水棲の「プラナリア(ウズムシ)」が有名で、本種を含むリクウズムシ(Geoplanidae)科も陸上に棲む彼らの同類です。(Geo:陸の-Planidae:プラナリア類という命名) 以上は共通的な内容ですが、相変わらず前置きが長いのがishida式です…(^^;;;;;; 分類体系的には科や亜科について色々な意見があるとのことで、ここではWikipediaに掲載されているものに準拠しますが、「リクウズムシ科」の下位には「コウガイビル(Bipalium)属」「リンコデムス(Rhyncodemus)属」「ゲオプラナ(Geoplana)属」の3分類あり、本種は「コウガイビル属」に属しているということになります。 コウガイビル属のものについては、名前の通り体の先端(脳はあるみたいなので便宜上の「頭部」と呼んでいいのかな)の形状が日本髪を結う際に使用する「笄(こうがい:ishidaは見たことがないですけど…)」を連想させることからきており、さらには頭部の前端には細かな黒点が多数あって、これが「光受容器官(眼点)」となっているようです。 種によっては体長1mほどになるもの(日本では外来種の「オオミスジコウガイビル」)もおり、全世界的に見ると派手な色合いや複雑な模様のものなど、サイズや体色も含めて多種多様なものがいるようです。 写真のものは、雨上がりの森などで見られるもののうち、40mm程度と小型の部類(伸縮するので判り辛い)ながら、頭部の幅が広めで、やや黒っぽい褐色の体色に背中線がありその両側がやや濃色になっているものです。 コウガイビルなどの陸棲プラナリアは全て肉食性とみられ、主にカタツムリや小型の節足動物などの動きの遅い生き物たちを捕食しているようで、これまでもカタツムリの幼貝やダンゴムシを捕食しているのを見たことがあります。 |