サラサヤンマ

蜻蛉(トンボ)目 不均翅亜目 ヤンマ科 体長65mm前後

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爽やかなカラーリングにぴちぴちの革パンツを履いているような質感が独特。

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休憩時はこのように縦にぶら下がって止まる。

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オスは腹部第3節が極端に細く、上付属器が靴べらのような形をしている。

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縄張りのパトロール中にはしばしばホバリングする。

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これはめちゃ近くでホバリングしたため、マクロレンズで撮影(^^)

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この個体はやや未熟な感じで、青みが薄い

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湿地の杭に生えた苔の中に産卵中のメス。

北海道から本州・四国・九州・対馬にかけて広く分布しますが、主に平地や中山間地の樹林に囲まれた湿地に生息し、中部山岳や紀伊山地、四国山地などの内陸の山地には分布しないようです。
他のヤンマ類のように開けた河川や大きな池沼には生息せず、幼虫は開放水面ではなく湿地が主な生息地のようです。

黒地に緑がかった黄斑を持ち、オスは腹部第三節が細くくびれた独特の体形や先端がやや広がった靴ベラ状の長い上付属器が独特です。
メスは全体に横紋が大きくて黄色みが強く、翅色が透明なものがほとんどのヤンマ科の中ではちょっと特異で翅色がやや茶褐色なのも他のヤンマ類とかなり異なった印象です。
オスは樹林内の湿地にテリトリーを持ってパトロール飛行をしますが、しばしばホバリングを交えるため飛翔シーンの撮影がわりと容易でした。
また、パトロール飛行の合間には他のヤンマ類よりも頻繁に休憩する印象です。
メスは単独で湿地の水中ではなく水辺の苔の中に産卵します。

国内では本種と「オキナワサラサヤンマ」の2種で「サラサヤンマ属(Sarasaeschna)」を構成し、他のヤンマとは系統的にも古い時代に分岐したとされてます。