オキナワシロヘリハンミョウ 

甲虫目 ハンミョウ科  体長12mm前後

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西表島で多産する干潟を見付けて撮影。でもすぐに無情の雨でやむなく中断。

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全体的に地味で斑紋も前翅の外縁部のみです。

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メスの背面にある「鏡紋」は他種に比べて極端に大きいのは特徴的。

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満潮時は生息密度が上がって出会いのチャンス?目の前でマウント体勢になったペア。

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本種の特徴なのかは不明ですが、マウント中のオスは前肢だけでなくすべての肢を地面から離す傾向が見えた。

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大顎だけでメスにおぶさっている感じ。

「日本のハンミョウ」(堀道雄編 北隆館刊行)によると、日本国内では「シロヘリハンミョウ」と「ヨドシロヘリハンミョウ」の2種が生息し、「オキナワシロヘリハンミョウ」は「シロヘリハンミョウ」の琉球亜種という位置づけになったとのことです。

本種は特にマングローブ帯を中心に生息するという一風変わった生活史を持つ「海浜性」のハンミョウで、幼虫も干潟の泥に穴を掘って生活しているとのことです。

姿は斑紋も単純で色合いもかなり地味ですが、南西諸島固有というだけでも何となく気持ちが盛り上がる現金なishidaです。

2016年の沖縄遠征の際にマングローブ帯で初めて見付けましたが、その時には十分な撮影が出来ませんでした。
その後、海岸などでも時々見かけることはあっても撮影はできておらず、2022年の八重山遠征でやっと多数の本種と出会うことが出来ました。
成虫は必ずしもマングローブ帯のみで生活しているわけではなく、周辺の砂浜などでも見ることが出来ますが、
特にマングローブ帯では満潮になって陸地が狭まると狭い範囲に多数の本種が集まるため、意外に撮影しやすいことも判りました。

また、ハンミョウはマウント時にオスがメスの前胸と中胸の間を大顎で挟んで固定し、前肢を万歳するように離しておぶさるのが一般的ですが、見た限りでは本種の場合はすべての肢を地面に着けず、大顎だけでメスにおぶさっているようです。

西表島で干潟へ降りて本種を撮影していると、若い二人組が何となくマニアックな言葉で話しているのと出会い、撮影中に話し掛けられました。
実は海南市にある「和歌山県立自然博物館」の学芸員さんたちだそうで、出張(羨ましい)で汽水域の魚の調査に来ているとのことでした。
お二人はそれぞれがお魚の専門家と昆虫の専門家とのことで、マクロ撮影などの話題でも盛り上がりました(^^)。
同じ日の午後には国道で横断していたカメの救助中にも偶然出会い、遠征を終えた帰宅後に早速FBで博物館のページをフォローしました(^^)