コニワハンミョウ 

甲虫目 ハンミョウ科  体長13mm前後

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あまり目立ちませんが、メスには背面に「鏡紋」のようなものがある。

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こちらはオス。他種に比べてやや寸胴で短足に見える。

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体色は赤みの強いものだけでなく緑色系のものも多い。

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赤みの強い体色のメス。

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特に緑色が強く見えるオス。

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交尾中のペア。こうして見るとメスのほうがやや大柄で太めなのが分かる。

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短足とか言って失礼(^^;やはり「ハンミョウポーズ」をとると普通の甲虫より足長さんです。

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見る角度や光線の具合でより赤みが強く見える。

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なぜかいったんマウントを解除し、穴掘り中のメスをガードしているように見える。

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こちらは単独で穴掘り中のメス。

本種の名前はいかにも「ニワハンミョウ」の小型版といったイメージですが、実際に小型ではあるものの「ニワハンミョウ」によく似ているという訳でもありません。
「ニワハンミョウ」や「アイヌハンミョウ」とは同属ですが体形はかなり異なり、一般的に「足が長くてスマートな昆虫」というハンミョウのイメージよりはやや寸胴で短足なハンミョウです。

生息場所は主に河川の中流域の砂礫地で、特に細かい砂の堆積した場所と草地の境界周辺を好むようです。
成虫は4月頃に現れ、実際に観察したところでは、メスは細かくて内部がやや湿った砂が堆積した場所を選んで穴を掘ってその中に産卵をするようでした。
また、不思議なことにマウント状態になったペアがいったんマウントを解除し、産卵のための穴を掘るメスをオスがガードするような行動も見られました。
(普通ならマウントしたら執拗に交尾を迫るはずのオスが自らマウントを解除して穴掘りを始めたメスを守るような態勢をとったり、さらに再びマウントしたりといった行動を何度も繰り返していた。)
これがフォーマルな習性かどうかは不明(単独で穴掘りするメスも見た)ですが、結果的には穴掘り自体も完結することなく何か所も中途半端な穴がたくさんできていました(^^;。

生息地では「アイヌハンミョウ」と混棲していることが多いとのことで、実際に今回本種を見付けた場所でも両種が(平和的に?)混棲していました。
本種も個体数は多くて希少という訳ではないと思いますが、前述のように好みの生息環境として河川中流域の滑走斜面のように植生が発達していない砂地と疎らな草地があるような場所が必要なようです。
河川改修などで河原が無くなったり、増水しなくなって植物が茂ってしまうなどすると土砂の移動や適度な攪乱が起きず、彼らの生息に適した環境は失われてしまいます。