アマミオオメコバネジョウカイ
甲虫目 ハンミョウ科 体長5〜7mm程度
前翅(鞘羽)は黄色い部分だけです。
全体に大柄で腹部が太いのがメス。眼は大きく、口は下を向いていて目立たない。
なんだこの顔?と思ったら、口から液体を吐いたようです。
翅を閉じた後は腹端を使って翅の後部を畳んでいる。
これはやや小型でスリムなオス。腹端下部に「尾毛」のようなものが見える。
これもオス。眼の大きさが際立って見え、ジョウカイボンじゃないような顔つきですね。
奄美大島から沖縄本島にかけて(?)生息する名前の通り複眼が大きくて前翅(鞘羽)が小さい小型のジョウカイボンです。 2023年3月の沖縄遠征で初めて出会いましたが、他の「オキナワアオジョウカイ」などの大型ジョウカイボン同様に春先に出現し、短期間で姿を消してしまうようです。 鞘羽が非常に小さい甲虫というのはジョウカイボン科以外にもカミキリムシなどにも見られますが、本種の場合は小型で非常に軽快に飛び立ったり飛翔するのが得意(まるでハエのよう)で、「鞘羽が退化している」というよりも、防御のためのしっかりした鞘羽を持つよりも体の軽量化や飛翔用の後羽根を展開し易くすることを優先する方向に進化しているものと思われます。 林道脇の「アカメガシワ」の葉上に多数の個体が集中しており、周辺の他の樹木には全く見られませんでしたが、「アカメガシワ」自体に依存しているのかどうかは不明です。 なかなか撮影可能な位置には来てくれないうえにすぐに飛び去ってしまうため、左手でアカメガシワの枝をそっと引き寄せて右手だけでマクロ装備のカメラを保持して撮影していたため腕が非常に疲れてしまい、思うように撮影が出来ませんでした(^^;
「日本甲虫原色図鑑V(保育社)」では琉球(奄美)に生息するとありますが、実際には沖縄本島にも生息しているということのようです。
また、腹端が二股状で、黒く革質化して肥大しているのが他のジョウカイボンと違ってちょっと変な感じです。
オスの場合はこの腹端下側に1対の尾毛のようなものが見えます(鮮明に映った画像がないですが、ボツ画像を見ると「把握器」のようなものではなく「尾毛」に見える)
アカメガシワには葉裏に腺点や星状毛・葉柄に花外蜜腺があり、食事兼出会いの場として利用している可能性もありそうですね。
実際、多数の本種が集まっている中には、ちょっとスリムで小型のオスと、腹部が太くて大柄なメスが両方見られましたが撮影中には気付かず、後で画像を確認して気付きました。