アイヌハンミョウ
甲虫目 ハンミョウ科 体長18mm前後
2006年に初めて出会ったもの。よく見ると斑紋は特徴的です。
2006年当時でも交尾シーンは撮れていた(^^)。
覚えてしまえば特徴的な斑紋です。
帰ってからチェックすると、何故か単独のメス個体の画像はほとんどなかった。
どうしても警戒して「伏せ」のポーズの写真が多くなってしまう。
やっぱり体を持ち上げたポーズのほうがカッコイイ。
体色は概ね「黒っぽい青銅色」のイメージだが、やや銅色っぽい体色のものもいる。
こうして見ると、特にオスは平べったい体形に見える。
大顎の先端は他のハンミョウと違ってややヘラ状。
まだ交尾に至っていないペア。接近すると警戒してすぐ分離してしまう傾向が強い。
ああ勘違い(^^; 交尾中のペアにもう1頭のオスがマウントして交尾を迫る。
用心深いため、なかなかローアングルで撮影するのが難しい(^^;
本種の名前はいかにも北海道特産のように感じさせますが、実際には北海道から九州までの広い範囲に分布しています。 生息場所は主に河川の中流域の砂礫地ですが生息地の好みはかなりうるさいようで、居る所には居るが居ない所はいくら探しても見付からないというイメージです。
サイズや一見した印象は「ニワハンミョウ」に近く見えますが、体形はやや細長くスリムで、前翅後端の斑紋が明瞭である(ニワハンミョウは後端の紋は無い)ことや、非常に毛深くて頭部の複眼間にまで白毛が生えているのが目立ちます。
また、本種の大顎の先端は他のハンミョウのようにシャープに尖っておらず、先端がややヘラ状になっているのも特徴的です。
2006年の春に家族で出掛けた際に川べりの岩場で多数の「ニワハンミョウ」と本種が混棲しているのを見掛けたことがありました。
当時は「ああ、ニワハンミョウのちょっと斑紋の大き目のバリエーションなんだ。」としか思わなかったため混同していましたが、2021年になってから写真のストックを見直していたところ、よく見ると別種の「アイヌハンミョウ」だということが判りました。
当時撮影した画像も少ないため、2022年になって現在の写真機材で撮り直すために現地を訪れたところ、生息環境が変わってしまったためか「アイヌハンミョウ」「ニワハンミョウ」の両種とも全く見付けることができませんでした。
改めて2023年に色々とリサーチして目星を付けていた場所へ出掛けて、やっと再会することができました。
生息地では個体数も多くて希少という訳ではないと思いますが、前述のように生息環境の好みが激しいようで、河川中流域の滑走斜面のように植生が発達していない砂礫地と疎らな草地があるような環境が必要なようです。
河川改修などで河原が無くなったり、増水しなくなって植物が茂ってしまうなどすると姿を消してしまうようで、土砂の移動や適度な攪乱が持続的に起きるような自然河川でないと生息できないものと思われます。