ムシヒキアブの一種Merodontina silvatica?)

双翅目 ムシヒキアブ科 体長15mm前後

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2024年の西表島遠征で初めて見た本種。「マガリケムシヒキ」などを寸詰まりにしたような印象。

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複眼を含めて丸顔なのは「マガリケムシヒキ」などと似ている(^^;

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腹端部に立派な交尾器を持ったオス。

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翅の前縁は独特の形状をしており、平行な翅室のしわも目立つ。

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これは別の場所で見た同種のメスと思われる個体。

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しかし翅の前縁はストレートでオスとは違って見える。

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夜の観察で見たコガネムシを捕食中のメス。

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触角の先端(刺毛?)が長く伸び、櫛髭状の分岐を持つ。

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別アングルからの頭部のクローズアップ。

2024年の西表島遠征で見付けた体長15mmほどのやや小型のムシヒキアブの一種です。
それまでの八重山遠征では出会っていませんが、これまで出会えなかったのが時期的なものか地域的なものか、はたまたもともと個体数が少ないためなのかはよく判りません。

一見した雰囲気は「ムシヒキアブ亜科」の一員のように見えますが、全体的にやや寸詰まりで頭部の大きいプロポーションは一種独特の雰囲気に見えました。
同種のオスとメスらしきものを別々の場所で見掛けましたが、特にオスはヤットコ状の交尾器を持ち、翅前縁のくびれたカーブが独特で前縁部の翅室の平行な皺が特に目立ちます。
また、触角の刺毛(?)が非常に長く伸び、櫛髭状の分岐が多いのはクシヒゲムシヒキ亜科の特徴のように思われます。
クシヒゲムシヒキ亜科としては「アオメアブ」が普通種で、実際に比較してみると触角の特徴はよく似ています。
よく参考にさせてもらっている「ムシヒキアブ図鑑」によれば、和名は付いていませんが「Merodontina silvatica」という種が紹介されており、翅の前縁がくびれたようにカーブしている特徴も一致し、分布も南西諸島(石垣島・西表島)とありました。
ただ、残念ながら当該種のページにはメスの画像は無く、翅の特徴が雌雄で異なっているのかどうかまでは判りませんでした。