ヒメキイロコウカアブ

双翅目 ミズアブ科 体長8mm前後

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「キイロコウカアブ」に似ているが体は一回り小さく、より鮮やかな橙色。

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キノコの周囲に定位している個体は全てオスのようだった。

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鮮やかな体色だけでなく、後肢の黒い脛節と白い跗節が非常におしゃれ。

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交尾中のペアを見ると、メスのほうがやや小さい。

小型ながら明るい橙色の体と腹部の黒帯、後肢の黒い脛節・白い跗節が靴下を履いているようで非常におしゃれな印象を持ちます。
「コウカアブ」の「コウカ」とは「後架」という禅宗の僧堂の後ろに設けられる洗面所のことで、一般的には「おトイレ」という意味です。
近縁種のそのものズバリ「コウカアブ」や「アメリカミズアブ」などのように汲み取り式のおトイレ周辺に見られるものが多く、いわゆる「便所バチ」(ハエだけど)と呼ばれるあまり印象のよろしくない一派です。
そんな中でも「キイロコウカアブ」や本種などは明るい鮮やかな体色をしており、さながら「掃き溜めの貴公子」的なイメージです。

文字通り汲み取り式トイレや掃き溜め・森林の腐敗物などで発生する他種と違い、本種の場合は森林のキノコに依存しているとのことです。
実際にキノコの群落の周囲の葉上に定位する多数の本種が見られ、オスがキノコが放つ芳香(腐敗臭?)に惹かれてやってくるメスを待っているようでした。
ただ不思議なことにキノコに直接とまることはなく、キノコを見渡せる植物の葉上の優位なポイントをオス同士が争っているようです。
幼虫の食べ物になるキノコを土足で踏み付けないとは何ともお行儀が良いなあと思いますが、実際にはどういう理由なのかは気になります。

別の日にはキノコの近くで交尾中のペアにも出会いましたが、本種の場合はオスのほうがメスよりも大きいようです。

また、本種によく似ていて更にスリムで、複眼が大きく額で接している別種もいくつかあるようで、地元と八重山でそれぞれ違うものを見ています。