ヤエヤマツダナナフシ(ツダナナフシ)

ナナフシ目 ナナフシ科 体長約120mm 

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初めて出会った個体は鮮やかな緑色でした。

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後翅がクシャっとしているのは特に不具合ということではなく、大多数の個体がこんならしい。

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危険を感じると意外に逃げ足は速い。

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前胸部の前端の両側にある突起が「ミント液噴射器官」のようです。

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「ヤエヤマツダナナフシ」は八重山諸島に生息し、頭部から尾端までのサイズが120mmほどになる日本最大クラス(体長でいうと最長ではない)の昆虫です。
体長だけならもっと長いナナフシがいますが、単純に体長が細長いだけでなくナナフシとしては異例な太っちょな体形をしているだけでなく、手足も非常に頑丈な印象です。

ishidaとしては八重山遠征で出会ってみたい昆虫の上位選手ですが、夜行性なうえに個体数は非常に少ないようで、2019年・2022年の遠征では出会うことができず、2024年の西表島遠征で初めて出会うことができました。
アダンを食草だけでなく住処としても利用していることから、本種を探して夜間に海岸周辺のアダンの茂みを歩いたりした際には結局出会えず、昼間にたまたま別の目的で歩いていた際に出会えました(^^)
出会った個体は、
どうやら外出したまま住処に帰れなかった個体のようで、歩いている目の前の倒木の枯れ枝にとまっているのを発見しました。
ひとしきり撮影した後、山道をふさいでいる倒木をどけようとしてたまたま奥さんの腕に当たったら、奥さんの腕に飛び移ってきました。
驚いた奥さんが慌てて振り払おうとしたら、頑丈な爪でちょっと流血…やっぱり力も強いし爪も強力なんですね(^^;;;;

外敵に対して「ミントの臭いのする液体」を噴射して身を守るとのことですが、奥さんが腕から引き離そうとした際には確かに前胸部あたりから液体を霧状に噴射するのが見えましたが、特に臭いは感じなかっただけでなく、奥さんの肌にも特に問題は出ませんでした。

ネットや図鑑などで見るともっと全体に黒っぽい個体もいるようでが、結局は写真の個体以外に出会うことはできませんでした。

本種も多くのナナフシ同様にオスも出現するものの単為生殖でも繁殖することが可能で卵には水に浮かぶため、海流に乗って生息地を広げる性質が指摘されているそうです。
分類的には従来は八重山諸島固有種とされていましたが、台湾に生息するものと同種であり、単に「ツダナナフシ」とするようになってきているようです。