ゴミグモ 

コガネグモ科  体長14mm(メス)前後

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成熟すると真っ黒けなオス

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「ゴミグモ」と呼ばれる種類の中の代表選手で、家の周囲や林の周辺などのそれほど高くない場所に垂直円網を張り、中央にゴミを縦に並べます。
クモはゴミの中央に自分の体が納まるようにくぼみを作った中に隠れます。
ゴミは食べかすから脱皮殻や枯葉などを糸でまとめたもので出来ていますが、産卵時には卵嚢もその中に置く徹底ぶりです。
彼らの場合、網は支障がなければ特に移動や張り直しはせず、修理のみで恒久的に使用し続けるようです。

クモの体も不規則な模様と腹部後半の突起でカムフラージュされているだけでなく、脚を小さく折り畳んで前胸部を隠している姿はもうまるで「ゴミ」そのものです。

普通の造網性のクモの巣ではそれほどゴミが付いているのを見かけることはないと思いますし、むしろ積極的にゴミは掃除して網をきれいに保つのが普通です。
それはもちろん邪魔なゴミを付けたままにしておくと網としての機能を損なってしまうからに違いありません。

それでもゴミグモが巣のど真ん中にごみを集めておくということは、彼らにとっては捕食者に対するカムフラージュが非常に重要だということの現れでしょうか?

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メスの巣の基部に取り付き、糸を弾いて愛のメッセージを送るオス。

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オスのメッセージに反応し、メスが定位置を離れてオスに近づきます。

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大急ぎかつ細心の注意を払ってメスに接近するオス。

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オスが腹側に抱き着くとメスの動きが止まります。オスの触肢が大きく膨らんでいる??

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オスは触肢に溜め込んだ精子をメスの腹部付け根にある外雌器に注入。

ある日、いつも観察しているゴミグモの巣の外に小さな黒いゴミグモがいるのを発見、膨らんだ触肢から、成熟オスのようです。
縦糸の根元に取り付いて、糸を肢ではじいて巣にいるメスに対して「愛のメッセージ」を送っている様子。

それに気付いたメスは、振動を頼りにオスの方に近寄ってきます。

両者が出会った時、オスはメスの腹側に潜り込み、触肢の先端からメスの外雌器に精子を注入して交接が成立。
作業(?)が終わると、両者はぱっと離れ、メスは巣の中心へ急いで戻ります。

一方のオスは巣から転げ落ち、しおり糸にぶら下がったまま…死んだのか?とさえ見える様子ですが、死んではいなくて、息を吹き返す(?)と再びメスに対してメッセージを

メスは2度目も応じて再度の交接が成立。

3度目(^^;のラブコール以降はメスの反応はなし。さらにもう一匹ライバルのオスが現れてメッセージの応酬合戦になるも、メスは知らんぷり。

翌週にはゴミの中に卵嚢が置かれていました。